家庭の財政学

国債ははたして安全か

貯蓄の安全を考える

日本の政府が膨大な借金を抱えていることは、もはや誰もが知るところとなっています。政府等の債務残高の対GDP比では、アメリカが110.0%、ドイツが86.2%なのに対し、日本は224.3%となっています。信用不安で国債が急落したイタリアが129.6%ですから、日本の借金の大きさに驚かされます(以上2013年、財務省データより)。

一方、日本の国債の格付けは、ある格付け機関によると「AA」となっており、上から2番目のランクです。国の格付けは、金融機関や一般の企業とは同一の基準ではありません。しかし、「AA」がほとんど心配のない、かなり高い水準であることに違いはありません。

はたして、日本の国債は安全なのでしょうか。そして、2010年に起きたヨーロッパのような金融危機は起きないのでしょうか。貯蓄の一つとして国債を持っている人はたくさんいますし、預金をほとんど国債で運用している金融機関もあります。

政府は、国内で唯一紙幣を発行できる組織で、国際的に見ても信頼性は他の組織の比ではありません。民間企業のように倒産してしまうことがありませんので、むやみに心配する必要はありません。しかし、まったく心配がないかといえば、そうとも言えません。将来、日本が債務不履行(借金を返さない)となる可能性を指摘する専門家もいます。

政府が債務不履行となったら、国債を持っている人はどうなるのでしょうか。かつて、アルゼンチンの国債が債務不履行となり、個人が購入した国債まで影響が出たことがありました。しかし、機関投資家だけでなく、個人もが被害を受けるような事態はほとんど例がありません。しかも、日本国債の場合は日本の通貨・円で発行されているため、簡単に債務不履行となることは考えにくいと思われます。ただ、債務不履行とまではいかなくても、その心配が高まり、国債の価格が急落することは考えられます。国債といえども、やみくもに恐れない、油断しない、という姿勢が大切です。

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