家庭の財政学

どんな介護体勢をとるか

親が介護状態になったとき

親に介護が必要な状態になったとき、まずどんな介護態勢をとるのかを家族全員で話し合うことになるでしょう。そのときの重要なポイントは、次の二つです。

1. 介護を受ける親本人の意思を確認する
2. 家族全員が同意の態勢をつくる

親にしてみれば、寝たきり状態になったことは無念なことに違いありません。諸事情によっては無理なこともありますが、まずは、介護を受ける親自身が望む介護を最優先にして、どんな介護態勢が考えられるのかを検討しましょう。

ここで筆者の、遠隔地に住む親のケースを紹介しておきます。

父親は在宅介護を受けています。しかし、中心になって介護していた母が、疲労で入院してしまったので、父も強制的に入院させました。入院したことで、父は顔色もよく元気になり、家族は一安心です。元来、わがままな父は、家だと食事も「食べたいときだけ食べる」ようで体調もよくなかったのです。

しかし、父は「家に帰る。一日も病院にいたくない」と言い張ります。病院がイヤな理由を家族が尋ねると、「住み慣れた我が家がいい……」の一点張り。もしも、本人の気持ちを無視し続けたらどうなるでしょう。事実、しばらくすると「もしかしたら認知症かしら」と思うような、訳がわからないことを言うようになりました。

この体験から、介護は、介護される側のメンタル面をいかに大切にしてあげられるかが肝心と考えさせられました。

また、介護者が疲労で入院した失敗を経験して、我が家は、「家族の介護がいちばん」という考えにとらわれることはやめました。

1.家族ができる範囲
2.介護保険のホームヘルパー派遣
3.個人で頼むヘルパーと協働する
この3点で介護態勢をつくり、実践しています。

そして、親の介護をするようになって実感するのが、いちばん頼りになるのが公的介護保険制度であることです。

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