家庭の財政学

任意後見制度と遺言はセットで

60代働きながら補充する

快適な老後を過ごすには、経済だけではなく健康面の不安を解消しておくことも大切です。とくに高齢化などにより、判断能力が不十分になったときの心配は多くの人が持っています。そこで平成12年4月にスタートした成年後見制度の一つ任意後見制度についてご紹介しておきます(★20)。



★20 任意後見契約の仕組み
任意後見契約の仕組み


任意後見制度は、自分が元気なうちに任意後見人(契約時は任意後見受任者)と契約をし、判断能力が低下したときに任意後見人に、契約した財産管理や身上監護をしてもらいます。任意後見人にお金の管理と体のようすを見守ってもらうのです。もちろん費用は必要です。しかし、ランニングコストがかかるのは実際に判断能力が低下し任意後見監督人が選任されたときからです。生活全般にかかる顧問業務と、生活費の受け渡しなどを含む場合は月3万〜4万円程度です(契約内容で異なる)。
シングルで托す人がいない、残されるパートナーの生活が心配、財産があるが管理が不安、最後まで自分らしく過ごしたい人などは、自分の老後を守るために情報収集から初めてはいかがでしょう。あわせて、自分の意思を通した遺言をセットで作成しておくことをお勧めします。残された家族に争いの種をつくらない、本当に財産を残したい人にきちんと形で残すことは、旅立つ人の義務といっていいでしょう。
遺言には、3種類ありますが、確実に遺言証書が渡る「公正証書遺言」がお勧めです。公証役場に支払う手数料もそれほど高額ではありません。

任意後見制度の利用や遺言証書の作成は、日本の家族観にはそぐわないという人もいるかもしれません。しかし、本当に自分がありたい人生を全うし、家族に意思を伝えておくことで自分らしい人生が送るための選択肢の一つに入れてもいいでしょう。とは言いつつ、昨今成年後見制度を悪用する親族や専門家の不祥事も相次いでいます。任意後見制度が稼働するまでの判断能力がある間、「見守り制度」を利用して任意後見人の人柄などを知る必要もありそうです。

真に自立することで、相手に要求することは減り、相手にしてあげることが増えます。おのおのが経済的、精神的、感情的に自立できているかが、「私のライフプラン」を実践していくときのポイントと言えるでしょう。

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