家庭の財政学

老後費用は約1億円

必要な老後資金と準備資金

老後の生活費はどのくらい必要なのでしょう。もちろん地域、資産、過去の生活スタイル、将来の暮らし方などで人さまざまです。昭和38年生まれと昭和41年生まれの夫婦で試算すると1億円弱必要ですが、退職金や公的年金などを考慮すると、それ以外に60歳からの30年間で1,998万円が必要ということになります(★12)。



★12 老後必要額を計算してみる

(夫)昭和38年4月2日生まれ。厚生年金38年加入、平均給与月額35万円
(妻)昭和41年4月2日生まれ。専業主婦、国民年金40年加入
夫婦の基本生活費約30万円/月※1 夫82歳、妻88歳になるまで生きると仮定※2

 A.夫が60歳以降の支出
(1)夫婦2人期間 30万円X12月X22年=7,920万円
(2)妻1人期間    30万円X0.7(※1)X12月X9年=2,268万円
支出合計A(1)+(2)=10188万円1億円
※1 2人の時の7割とする


 B.夫が60歳以降の収入
公的年金(下・年金早見表参照) :25年度9月までの金額
(1)国民年金79万円X17年=1,343万円
(2)厚生年金   121万円X17年=2,057万円
(3)加給年金39万円X3年=117万円
(4)国民年金79万円X23年=1,817万円
(5)(遺族)厚生年金(121万円X3/4)90.75万円X9年=816.75万円
(6)公的年金計(1)+(2)+(3)+(4)+(5)≒6,151万円

国民年金早見表
加入年数受給額
25年  49万円
30年59万円
35年69万円
38年75万円
40年79万円
厚生年金早見表
加入年数受給額
 平均標準報酬額
30万円35万円40万円
25年 68万円 79万円 91万円
30年82万円96万円110万円
35年 95万円 111万円 127万円
38年 103万円 121万円 138万円
40年 119万円 127万円 145万円

(7)退職金 2,000万円
収入合計B (6)+(7)=8,151万円
※年金額は年度、総報酬制を考慮せず。従前額保障。万円未満四捨五入。
※住宅ローンは60歳で完済とする


 C.老後準備が必要な額

A-B=2,037万円が必要。
これを夫婦が60歳から30年間で必要な額を年2%で運用しながら均等に割り戻すとすると60歳時に
1,528万円が必要。
(2,037万円X0.75≒1,528万円)
年金のための元本早見表
利率1%2%3%5%
5年0.970.940.920.87
10年0.950.900.850.77
15年0.920.860.800.69
20年 0.900.820.740.62
25年0.880.780.700.56
30年0.860.750.650.51
確定拠出年金で仮に毎年36万円を年4%の複利で10年運用すると、
395万円積立て可能。
(26万円X10.959≒395万円)

積立預金複利表
利率2%4%5%
5年5.2045.4165.526
10年 10.583 10.959 12.578
15年16.09720.02421.579
20年22.01929.77833.066

従って、1,528万円-395万円=1,133万円
あと約1,133万円を他の貯蓄商品や定年後の夫妻の就労収入などで用意する必要がある。

通常私たちは、子どもの教育費や住宅ローンを払いながら、老後をターゲットに目標額を貯めていきます。もちろん退職後はお金を運用しながら取り崩すので、仮に年2%で運用しながら均等に取り崩すとすると、実際には60歳時点で1,528万円必要になります。
仮に、確定拠出年金で年24万円を年4%の複利で60歳になるまで運用すると(経費は省く)10年間で、約395万円になり、残りの約1,133万円を他の保険や貯金で補えば足ります。これが年2%の複利での運用だと、10年間には約381万円。補うべき金額は約1,147万円となります。金利の動向に関心を持っておくべきでしょう。
確定拠出年金は原則60歳まで途中引出しができないので、自営業者などはライフイベントを視野に入れた積み立てが必要です。逆に老後資金に余裕があれば、複利効果や税の繰延べ効果の恩恵を受けつつ70歳まで運用の指図ができるので、60歳を過ぎても引き出さず、市場のタイミングを図って引き出すことも可能です。選択肢が増えた分、制度の内容や金融商品について学ぶことが大切になりました。

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