家庭の財政学

火災保険の保険金額の決め方

火災保険・地震保険について

火災保険を契約する場合、まず建物や家財を適正に評価し、その評価額をもとに保険金額(支払限度額)をいくらにするか設定しなければなりません。評価の方法には、「時価額」による評価方法と、「再調達価額」による評価方法がありますが、今は原則「再調達価額」によって評価し、保険金額を設定します。「再調達価額」とは、今新しく調達するのに必要な金額のことです。時価額での契約も可能ですが、火災保険では建物の再築だけでなく、風災や水災などの被害があった場合の修理費用が支払われるケースがあり、その時に時価で修理費用等を算出されてしまっては役に立ちません。
保険は、いざという時に「役に立つ契約」にすることが大切です。

*保険金額の設定方法は?

<建物>
建物の再調達価額による評価方法には、一般的に以下の二つの方法があり、それにより保険価額を算出します。

・年次別指数法
建築時における建築価額がわかっている場合は、その価額に年次別指数をかけて再調達価額を算出します。

・新築費単価法
都道府県別の新築費単価に床面積をかけて、再調達価額を算出します。区分所有建物(マンション)の場合は、区分所有建物の新築費単価を適用します。

再調達価額を保険価額として保険金額を設定しますが、保険金額と保険価額の関係には以下の3通りがあります。
・保険金額=保険価額・・・・・全部保険
・保険金額<保険価額・・・・・一部保険
・保険金額>保険価額・・・・・超過保険

保険金額は、保険金額=保険価額の全部保険で設定することが原則です。

*もし、一部保険で契約していて事故が発生した場合
保険金の支払いにおいては比例填補されてしまうことがあるので注意が必要です。比例填補とは、火災保険において分損の場合、支払われる保険金が付保されている割合に応じて減額して支払われる支払方法です。

(例)
保険価額2,000万円の家に、保険金額1,000万円の火災保険を契約していて火災事故があり、500万円の損害があった場合、保険金の算出方法は

保険金=損害額(500万円)×保険金額(1,000万円)/保険価額(2,000万円)×80%
となり、保険会社から支払われる保険金は上記の計算により312万円となります。
これが比例填補です。

保険金額は、保険価額の80%未満で一部保険とみなされますので、少なくとも保険価額の80%以上になるように設定しましょう。

*もし、超過保険で契約していて事故が起きた場合
超過保険のまま事故が起きた場合、保険金は保険価額以上支払われることはありません。超過保険は、保険料の払い過ぎ(間違った契約)ですので、超過保険と気付いた時点で、すぐに契約を是正する必要があります。契約を是正した場合、契約者に「善意」かつ「重大な過失」がないことを条件に、保険会社は保険始期日にさかのぼって保険料を再計算し、払いすぎた保険料は契約者に返還されます。超過保険のまま何年も契約していた場合、保険会社によっては過去数年分の保険料も是正の対象として計算し、過払い分の保険料が返還されることもあります。

<家財>
家財とは:生活用動産、家具、家電、衣類、靴、寝具、食器、貴金属など
保険の対象に含まれないもの:通貨、預貯金証書、カード類、設備、什器、商品、製品、動物、植物、データ、ソフトウェア、法令上所有が禁止されているもの

*明記物件
家財の中で、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨董などの貴重品、美術品は、契約の際に「明記物件」として明記しなければなりません。再調達価額による契約であっても、明記物件の損害額は時価額を基準に算出されます。

家財の保険金額も、原則再調達価額で契約をします。今ある建物内の家財を新しく買い直したらいくらかを積算し保険金額とします。でも、たくさんの家財を評価し積算することは大変です。そのため、家財の評価においては、「簡易評価」という方法が認められています。「簡易評価」とは、世帯主の年齢と家族構成によって目安の金額が決められていて、その金額を中心に一定範囲であれば適正評価とみなす方法です。但し、家財の積算金額はそれぞれの家庭によってかなり幅があります。一定範囲外の金額になる場合は、リストなどを作成しておけばいいでしょう。保険会社によっては、リストの提出を求めるところもあります。

(1)家族構成による簡易評価・例 (★2)
家族構成による簡易評価・例 (★2)


<参考>以下のものは、建物か、家財か?

キッチン設備、浴槽、電気設備、ガス設備、エアコン
  ⇒建物を所有している場合は「建物」に含まれ、建物を所有せず、
     これらのものを賃借人が所有している場合は「家財」に含まれる。

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