家庭の財政学

超低金利ローンには大きなリスクがある

住宅ローン選びのポイント

以上の金利タイプのなかでも、実際に適用される金利が最も低いのは、固定期間選択型2年もの、3年ものなどの特約期間の短いタイプです。金融機関の優遇金利制度を利用すれば、1%前後の超低金利で利用できます。

しかし、このタイプにはたいへん大きなリスクがあります。本来の店頭表示金利が2.30%の固定期間選択型3年ものを1.0%で利用できる場合、3年後の金利が現在とまったく変わらない場合でも自動的に2.30%の金利に上がってしまいます。仮に金利水準がアップしていれば、適用金利が3%台、4%台と上がっていきます。たとえば、35年返済で3,000万円のローンを利用したケースでみると、★12にあるように当初の毎月8万円台の返済額が金利がまったく変わらなかった場合でも、3年後には10万円台になり、仮に2%上がっていると13万円台に、4%の上昇だと16万円台になります。当初返済額の2倍になる可能性もないとはいえません。

いくら金利が低いといっても、このリスクを考慮すれば35年の長期返済での利用は無謀というものでしょう。やはりより安全度の高い全期間固定金利型を利用するのが安心です。

ただ、返済期間を短くできる人だと話が違ってきます。頭金が十分あるために借入額が少ない、あるいは年収が高いなどの事情から返済期間を10年程度と短くできる人であれば、このリスクは極端に小さくなります。3年後の金利が現在と同じなら数%程度の増額ですみ、2%ほど上がっても増額幅は10%台におさまります。金利が低い分、毎月返済額は少なくなりますから、その分貯蓄を進めておけば金利上昇による増額を補てんすることができますし、特約期間終了時に繰り上げ返済などで増額幅をさらに小さくできる可能性もあります。返済期間を10年程度にできる人なら、むしろこの固定期間選択型の超低金利商品を利用するのがむしろ効率的な返済につながる可能性が高いのです。

★12 固定期間の短いローンのリスクを知っておこう
借入額3,000万円、35年元利均等返済(ボーナス返済なし)、当初金利1.00%、
当初3年間の毎月返済額 8万4,685円
↓↓↓
3年後の金利と返済額
 適用金利毎月返済額毎月返済額
金利2%ダウン0.3% 7万5,989円-10.3%
金利1%ダウン1.3% 9万0,094円6.4%
金利±ゼロ2.3% 10万2,415円20.9%
金利1%アップ3.3% 11万7,400円38.6%
金利2%アップ4.3% 13万3,487円57.6%
金利3%アップ5.3% 15万0,595円77.8%
金利4%アップ6.3% 16万8,631円99.1%
金利5%アップ7.3% 18万7,498円121.4%

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